【読書】藤原正彦『国家の品格』(新潮社)

今日は某S社の面接でした。恐らくダメだったと思います。
なんつーか、自分の詰めの甘さを再認識させられました。
この反省を活かし、次からはもう少しキッチリやってから行こうと思います。


さて、出版社を受けているので本を読むことが多くなった今日このごろ。
私のバイト先(本屋)でも売れに売れている『国家の品格』を読んでみました。
「実に新潮社らしい本」というのが感想です。要するに、

「自由・平等・民主主義、ついでに言えば資本主義は美しくない」

「侘び寂び情緒枯山水、ついでに言えば恥と武士道こそ美しい」

まあ、よくある(爆)「西欧近代がナンボのもんじゃ」系の本です。
で、そこから導き出されるのは、
「日本は“慎み”や“恥”など昔の良さを取り戻し」
「アメリカ等の西欧近代文明からは距離を置き」
「独自の文化を発展させ、国家の品格を高める」
「こうして日本は平和と尊厳を得ることが出来る」
となるわけです。

あー、はいはい。うん。まあ言わんとすることは概ねわかる。
ですが、論理性を否定して感情を優先しようとする方針には賛成しかねます。
その他、気になるところとしては、一般ピープルはいつまでたってもバカだとしていたり(何様だ)、エリートの重要性を説くわりにはエリートの政策をコケにしていたり、第一次世界大戦の背景の理解がまるでなっていなかったり(WWⅠの原因がフランツ・フェルディナントの暗殺だけだと思っている…)、イギリスを美化しすぎだったりetc...

そんなわけで、日本の文化を賞賛し、外国(特にアメリカ)の文化をコケにする辺りは、
極めてエスノセントリズム的です。
そんな筆者はクロード・レヴィ・ストロース『悲しき熱帯』を読め。
一度構造主義に触れてみた方がよろしいかと思われます。

まとめ。
「そこそこ面白いけど、やっぱり懐古主義を脱していない本。」

ちなみに最近出た似たような本に、速水 敏彦『他人を見下す若者たち』(講談社)がありますが、コレは最悪の部類に入ります。地雷だから踏んじゃダメですよ。いつの時代にも「最近の若いモンは…」というオヤジは存在する、ということですね。
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by moririn08 | 2006-03-30 19:00 | 本話
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